
子どもが巣立った静かな家にやってきたムク
「母として走り続けた時間」がふっと止まり、同時に体も心も限界に気づいてしまった頃です。
ムクが家に来たのは、私がいちばん弱っていた時期でした。
子どもたちが巣立ち、急に静かになった家。
嬉しいような寂しいような…心にぽっかり穴が開いたような感覚。
そんな中、小さな体でトコトコと近づいてきたムク。
初めて抱っこした瞬間、胸がじんわり温かくなったのを覚えています。
気づけば家の中にふわっと温かい空気を運んでくれる存在。
「この子が来てくれてよかった」と自然に思えるようになったのです。
誕生日の日が同じ☆まるで運命のような存在のムク☆

ムクがくれた「笑顔」と「癒し」の時間
ムクが家に来てから、毎日の風景は少しずつ変わっていきました。
ムクは言葉を話さないけれど、
私が体の痛みで動けない日はそっと寄り添い、
気持ちが落ちる日はじっと見つめてくれる。
まるで「大丈夫だよ」と言ってくれるような、そんな優しさでした。
病気の痛みは薬で和らぐけれど、
心の痛みを癒してくれたのは、間違いなくムクでした。
・朝起きたらしっぽを振って迎えてくれること
・散歩の途中で見せる無邪気な笑顔
・時々、そっと膝の上に乗ってきてくれる瞬間
そんな一つひとつが、沈みがちだった心をそっと持ち上げてくれました。
とくに、何気ない日常の中でふと見せる仕草や表情に、「こんなに癒される存在があったんだ」と驚くほどです。
ムクはまるで小さなセラピストのように、私の毎日に彩りを取り戻してくれました。
これからの人生を一緒に歩いていく小さな家族
ムクとの生活は、まだまだ始まったばかり。
これから一緒に過ごす時間の中で、きっとたくさんの思い出が生まれていくでしょう。
子どもたちが巣立っても、人生はまだまだ続いていく。
その隣にムクという家族がいることが、何より心強く、幸せなことです。
歩けるようになった頃、
ムクと一緒に少しずつ散歩へ出かけるようになりました。
ゆっくり歩く私に合わせて横を歩くムク。
季節の風を感じながら、
「また普通の生活に戻れるかもしれない」
そう思えたのは、ムクがいてくれたからです。
家の中も、気持ちも、いつの間にか柔らかくなっていました。
子どもたちがいない寂しさは変わらないけれど、
その隙間には、ムクとの穏やかな時間が優しく流れています。
🎂 そして今日。ムクの誕生日
ムクと過ごしてきた日々は、
私に“立ち止まることの大切さ”と
“ひとりじゃない安心”を教えてくれました。
ムクが来てくれたことで、
「また笑っていいんだ」と思えるようになった。
病気の回復だけではなく、心の回復も、ゆっくりと進んでいきました。
これからもムクとの日々を大切にしながら、ゆっくりと、前を向いて歩いていきたいと思います。
💬 読んでくれたあなたへ
家族が巣立つ寂しさも、
病気のつらさも、
ひとりで抱えるには重すぎることがあります。
でも、
たったひとつの小さな存在が、
人生の色をがらりと変えてくれることもあります。
ムクは私にとって、
“新しい人生のスタート”をくれた存在です。
▶️次回予告
🩷第5話
ムクと一緒に取り戻した日常。もう一度笑えるようになるまで

